建築費の高騰、顧客獲得の難化…工務店の喫緊の課題解決を支援するのが、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」と、住宅・不動産業界向けに特化したマーケティングオートメーションツール「Digimta」との連携による経営DXだ。
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アンドパッド 執行役員 ハウジングカンパニー本部 渡部 耕太郎さん |
コンベックス プロダクトソリューション部 マネージャー 小尾 駿一郎さん |
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2024年、コンベックスはアンドパッドグループの一員に。「ANDPAD」と「Digima」はシステム連携を実現。「Digima」で集約した顧客データをそのままシームレスに「ANDPAD」が受け継ぎ、営業管理、顧客管理などの業務に落とし込むことができるようになった。工務店の経営DXがより効率よく進められるようになっている。
旧来のビジネスモデルからの脱却
この提携の背景には、現在の工務店を取り巻く課題解決という面がある。アンドパッド 執行役員 ハウジングカンパニー本部の渡部耕太郎さんは「新築棟数が減少している中で売り上げや利益をどのように確保していくか。工務店経営者の皆様の悩みはそこにある」と指摘する。
現在は建築費が高騰し、もはや「ローコスト住宅」の範疇では建築できなくなっている。そこで顧客層を高所得者層にシフトし、高性能住宅へと方針転換を図る住宅事業者も増えている。「ただし、高性能住宅の場合、設計・施工や原価管理の難度が上がります。リフォームや非住宅分野への進出も含め、旧来のビジネスモデルからの脱却は簡単ではありません」(渡部さん)。
そうした課題を抱えながら、慢性的な人手不足にも直面しているのが、地場工務店の現状だ。
営業活動は対面前から始まる
少子高齢化が進む今後は、「家を建てる人」の総数は増えないと思っていたほうがいい。そうであるならば、「家を建てる人」の中からいかに効率よく自社に導き、見込み客を受注まで導くかが重要になる。
「Digima」を提供するコンベックス プロダクトソリューション部マネージャーの小尾駿一郎さんによれば、工務店が集客する際に理解しておくべきポイントが2つあるという。「ひとつは現在、事務所やモデルハウスに来場してもらうハードルがとても高くなっているということです」(小尾さん)。
従来は、顧客と対面するところから営業活動が始まっていた。しかし、現在はInstagramの施工事例やYouTubeのルームツアー等によって住宅検討に必要な情報が入手できる。実際に来場する前にユーザーは依頼先の候補を絞り込んでいる。すでに来場前から「予選」が始まっているのだ。
「だいたい8社の候補があったら、実際に足を運ぶのは2社程度。対面する前にデジタル上のコミュニケーションを通じて、信頼関係を築いておかないと選ばれません。対面前の関係性の構築が重要になってきています」(小尾さん)。
小尾さんが指摘するもう1点のポイントは「問い合わせのハードルが下がっている」ということ。「今のお施主様は家づくりが具体的でない段階から、オンラインで気軽に問い合わせできます。それ故に意思決定までに時間を要するので、中長期的にフォローしていく必要があるのです」(小尾さん)。
「土地を見つけたらまた連絡ください」とのんびり構えていては出遅れてしまう時代なのだ。継続的に連絡を取り、顧客との関係を維持していかなくては受注に結び付かない。
そんな今どきの顧客に対して、準備ができている工務店がどれだけあるだろうか。
DXが人の価値を最大化する
「新築受注というものは、お施主様と担当者の信頼関係あってこそだと思います。DXは人の仕事を奪うものではありません。DXとは、人が行う業務の価値を最大化するために取り入れるものだと考えます」(小尾さん)。
たとえば問い合わせのあった顧客100件にメールを返信する、見込み客に1年以上も毎月フォローの連絡を入れ続けるといったことも、人が行えば大変な手間だが、DXツールなら得意分野だ。「即時性、継続性、網羅性が必要なものはどんどんシステム化すべき。その分、人が行うべき業務に時間を使うことができます」(小尾さん)。
先行きの見える経営が可能に
そこで真価を発揮するのが、ANDPAD×Digimaの連携だ。「Digima」で追客し、来場までに関係性を築く。そこで得た顧客情報を「ANDPAD」に引き継ぎ、管理していく。
「このプロセスの間にやりとりしたコミュニケーションの履歴内容がシステムに蓄積されていくので、思い違いによるミスの発生も防げます。不毛なクレーム対応が減り、受注までの工数削減にもつながります」(渡部さん)。
記録が残ることで無用な手戻りや設計変更、追加予算の発生も抑えられる。不確定要素が減り、想定通りの利益を確保することにつながる。
「先々の利益を見通すことができれば、先行投資や人員採用の計画も立てやすくなりますよね」(渡部さん)。DXによって、先行きの見える経営が可能になるのだ。
データの蓄積が確かな根拠になる
ANDPAD×Digimaのシームレスなシステム連携が生み出すデータの蓄積には、受注の先へと続く、さらに大きな価値がある。
「Digima」のデータも「ANDPAD Analytics」で分析可能になったことでどのサイト・広告から入ってきた問い合わせの受注率が高いのか、反響状況を可視化できる。「蓄積されたデータを分析することで、経営のPDCAを回して絶え間なく改善していくことができます」(渡部さん)。
これまでは経営者個人の成功経験と感覚で判断できたことも、社会の流れが大きく変わってきていることで通用しなくなってきているという現実がある。また、従業員もデータや根拠を示さないと、納得してついてきてくれない。
「工務店の皆様がいままで培ってきた技術は大事にしてほしい。そのためにも単なる思い付きではなく、精度の高い確かなデータをもとに、自社のビジネスモデルを進化させていくことが重要です」(渡部さん)。
ANDPAD×Digimaは、営業活動や施工現場、経理業務を効率化するだけでなく、経営改善と事業成長にも貢献するというわけだ。社内のデータをプラットフォームに蓄積していくことによって、経営は可視化され、自社の強みの確認や問題点の洗い出しも容易になる。
DXツールの導入について、「最初は、施工管理だけ、営業管理だけ、と個々の会社に必要なところから始めるのもいいかもしれません」(渡部さん)。DXに慣れていきながら、徐々にその範囲を広げていく。現代の工務店が目指すべき「データ経営」に向けて、着実に一歩を踏み出すためには、業務を一気通貫できるANDPAD×Digimaがうってつけだ。
(sponsored by アンドパッド)
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